職場における効果的なコラボレーションスキルの育成

 

米国の労働者の半数以上がコラボレーションをきわめて重要だと考えています(出典はこちら)。しかし、全ての人がそのコラボレーションのスキルを持っているわけではありません。チームメンバーの中には既に他のメンバーとのコラボレーションが得意な人もいるでしょう。しかし、多くのメンバーがコラボレーションのスキルを発揮するためには、職場環境そのものが協働的である必要があります。コラボレーションのスキルを育成することで、あなたやあなたの部下が、コラボレーションが積極的に行われる職場づくりに貢献できます。


リモートワーク、対面、ハイブリッドなど、業務環境を問わず、コラボレーションスキルを育成することで、より効果的な業務の遂行が可能になり、生産性の高い職場環境とチーム中心のマインドセットが醸成されます。

 

コラボレーションスキルとは?
 

コラボレーションスキルとは 効果的に他者と協力して働くためのスキル

 

コラボレーションスキルとは、効果的に他者と協力して働くためのスキルを意味します。ほとんどの職場で、特にチームワークが求められる職場では不可欠なスキルです。チームメンバーには、それぞれ異なる目標、好み、強み、弱みがあります。コラボレーションスキルは、各人がこれらの側面を全て持ち寄り、共通の目標を達成するために協力し合うことを可能にします。


多くの場合に、コラボレーションは、単に同僚とともにプロジェクトを完了させること以上のものを意味します。効果的なコラボレーションのスキルを持つことで、社員は対立を解決し、人間関係を構築し、インクルーシブで互いを尊重する関係を築くことができます。このスキルにより、同僚間の緊張状態に介入して解消を支援したり、チームのプロセスを改善するためのヒントを提供したり、建設的なフィードバックを快く受け入れて実行したりすることができます。強力なコラボレーションスキルがあれば、より信頼できるチームメンバーとなることもできます。


社員にコラボレーションの方法やタイミングを期待するのではなく、必要なスキルを育成することが重要です。職場によって、コラボレーションの価値観は異なるものです。コラボレーションのスキルを習得するには時間と努力が必要であり、常に改善の余地があります。
 

 

コラボレーションスキルを社内で育成するメリット

 

多くの企業において、コラボレーションは重要な役割を担っています。チームのコラボレーションの促進は、きわめて有益です。業務の改善を促し、質の高い業務の遂行と、生産性・効率性の向上につながります。社内でコラボレーションスキルを育成することのメリットについて以下に説明します。


他者と協力して業務を遂行する能力を高める


効果的なコラボレーションの方法を知らないチームメンバーがいれば、チームとしての効果的なコラボレーションは期待できません。コラボレーションのスキルを育成することは、チームのコラボレーション能力を向上させ、成功に必要なツールを提供することにつながります。コラボレーションに関して会社が何を期待しているのかを知ることで、社員は期待されるレベルを達成しやすくなります。


チームエンゲージメントの効率化


コラボレーションは、チームメンバーのグループワークや個人ワークに対する積極的な取り組みを促します。コラボレーションスキルを育成することで、社員同士がより頻繁に交流し、基本的な仕事から重要な仕事まで、ともに取り組むようになります。自身の貢献が会社全体の成功にどのような影響を及ぼしているかを理解することで、仕事に対する満足度も高まります。チームの一員として評価されていると感じることのできる社員は、貢献を継続する確率が高くなります。



コラボレーションスキルを習得することで生産性と効率性が高まる

 

生産性と効率性の向上

 

チームが協力することで、より多くの仕事をより迅速に完了することができます。コラボレーションによって生産性が向上し、チーム全体の業務効率が高まります。一人が行き詰まっても、別の社員が手助けしたり、独自の強みを活かして補ったりすることで、業務の進行を継続できます。チームがより効率的に働くことで、より多くの業務を完了させることができます。


仕事の質の向上


コラボレーションスキルの向上はチームの仕事の質を高めます。一人ひとりが異なる視点、経験レベル、新しいアイデアを提供することで、革新と進歩が促進されます。チームメンバーが互いにアイデアを出し合うことで、新たな考えが生まれ、チームとして最善の仕事ができます。


ポジティブな職場環境の醸成


コラボレーションのスキルを習得し、社員が協力し合うことで、社員相互の関係も深まり、よりポジティブな職場環境を構築できます。社員が職場を快適な場所と感じ、サポートされていることが実感できれば、誰もがリラックスし、自信を持って仕事に取り組むことができます。ポジティブな雰囲気はチームメンバーの満足度を高め、生産性の向上にもつながります。
 

 

8つのコラボレーションスキル

 

コラボレーションを成功させるには、さまざまなスキルが必要です。それらを同時に駆使することで、効果的なコラボレーションを促進できます。チームメンバーはそれぞれ異なる長所と短所を持っており、全員が全てのスキルに長けている必要はありません。コラボレーションのメリットは、チームが一丸となってこれらのスキルを活用できる点にあります。


次に、協力的な職場環境の醸成に必要な8つのスキルについて説明します。
 

書面、バーバル、ノンバーバルのコミュニケーション、 積極的に聞く力の育成が重要

 

1. コミュニケーション

コミュニケーションスキルの育成は容易ではありません。グループでの話し合いを好む人もいれば、1対1の会話や文書によるコミュニケーションを好む人もいます。コミュニケーションスキルを育成する際には、さまざまなコミュニケーションのスタイルを考慮し、自身やチームが、さまざまなタイプのコミュニケーションに適応する方法を考える必要があります。


チームメンバー全員が発言できるよう、あらゆるタイプのコミュニケーションを受け入れることが重要です。チームメンバーには、自分の好きな方法でコミュニケーションをとるよう促しましょう。優れたコミュニケーションスキルにはさまざまな形があります。

 

書面によるコミュニケーション
特にチームの全てまたは大半がリモートまたはハイブリッド環境で仕事をしている場合には、かなりの量のコラボレーションが書面でのコミュニケーションを通じて行われます。書面でのコミュニケーションでは、メッセージを理解しやすくすることが重要です。書面では、トーンや非言語的な合図を文脈に反映させることが難しく、誤解が生じるケースもあります。効果的なコミュニケーションスキルを育成するには、各チームメンバーが、自身のメッセージが相手にどう受け取られる可能性があるかを理解していることが重要です。例えば、皮肉めいた表現は書面では伝わりにくいため、書面でのコラボレーションでは避けるのが賢明です。


バーバルコミュニケーション

バーバルコミュニケーション(言葉によるコミュニケーション)には、何をどのように言うか・表現するかが含まれます。トーンは、言葉によるコミュニケーション、特にコラボレーションにおいて大切な要素です。共感(エンパシー)を示すトーンで、明確なメッセージを言葉で表現する能力を育成することが重要です。チームメンバー間の言葉によるコミュニケーションは、その人の他者に対する態度や受けとめられ方に大きく影響します。


ノンバーバルコミュニケーション
ノンバーバルコミュニケーション(非言語コミュニケーション)とは、身振りや表情など、言葉を使わずに行うコミュニケーションであり、言葉によるコミュニケーションに影響を及ぼし、言葉の意味を変えてしまう可能性を持つ要素を意味します。非言語的なシグナルは、多くの場合に、その人の根底にある考えや感情を示します。チームメンバーには、非言語的なシグナルがコミュニケーションにどのような影響を及ぼすかを理解することの重要性を理解してもらうことが必要です。
例えば、腕組みは、防御的、厳格、あるいは閉鎖的であると受け取られるリスクがあります。チームメンバーに良い知らせを伝えるときには、そのような態度を取ることはまずないでしょう。このような非言語的なシグナルは、伝えるべきメッセージの意味が、受け取る側に正しく伝わらなくなるリスクを生じさせます。
 

アクティブリスニング(積極的傾聴)
アクティブリスニング(積極的傾聴)は、効果的なコラボレーションのために不可欠なスキルです。最新情報やアイデアを共有するための情報伝達は重要です。アクティブリスニングは、伝達された内容をよく理解するために必要なスキルです。アクティブリスニングとは、先入観を持たずに相手を理解するには、心を開いて真剣に耳を傾けることです。明確に理解するためのオープンエンドの質問をすること、理解した内容を要約することで、理解を確実にすることができます。
 

アクティブリスニングのスキルを習得するには時間と練習が必要です。チームメンバーが積極的に相手の話に耳を傾けることで、常に効果的なコミュニケーションを図り、協力し合うことができます。

 

2.  感情的知性と共感

 誰にでも、仕事上の課題で悩んだり、仕事以外の問題を抱えたりして、ベストパフォーマンスを発揮するのが難しい日があります。職場での共感力と感情的知性を育むことで、チームメンバーは自分や他人の感情を認識し、適切に対応するソフトスキルを習得することができます。


高い感情的知性を持つ人は、不機嫌やイライラが燃え尽き症候群や支援が必要な状況の兆候であることを認識します。また、共感的な人は、感情がより大きな問題の兆候を示すような場合には、個人的なものだとは捉えません。むしろ、感情的知性を習得することで、状況にかかわらず互いに助け合い、協力し合うチームの能力が高まります。チームメンバーが共感し、支え合うことができれば、コラボレーションはより自然に生まれます。
 

3.  尊敬と寛容

 職場でのコラボレーションが重要である理由に、一人ひとりが異なる何かを持ち寄る点があります。職場では、異なる文化、背景、経験を持つチームメンバーが、ワークフォースを構成しており、各自が新しい視点やアイデアを提示することができます。
 

新鮮な視点は創造性と革新性につながります。しかし、例えば長年勤務しているチームメンバーの中には、適切な認識を持たないことにより、新しい考え方を拒む人もいます。このような問題を回避し、安全なコラボレーションの場を創り出すには、他者への尊敬と寛容(リスペクトとオープンマインド)を育むことが大切です。
 

チームメンバーそれぞれの経歴や背景を尊重することで、社員がグループでの議論に気持ちよく貢献できる空間が生まれます。寛容とは、新しいアイデアに耳を傾け、受け入れることです。他の人のアイデアに好奇心を持つよう、全員に促しましょう。例えば、物事を決定する前に、全てのアイデアに耳を傾け、議論することをルール化してもよいでしょう。
 

コラボレーションは、アイデアの交換と協働に大きな関わりがあります。寛容性を持つことで、自身が他者より優れていることをアピールするような行動をとる必要がなくなります。このようなマインドセットを奨励することで、チームメンバーは批判を恐れずに自分のアイデアを提供できるようになり、組織がより革新的になります。
 

4.  適応性

チームで仕事をしていると、予期せぬ問題に遭遇することは避けられません。優先順位の変更、遅延、予算の問題、計画通りに進まない場合など、どのような状況であっても、適応力があれば、チームは障壁を乗り越えて前進できます。適応力とは、新しい状況に即座に適応する能力です。この能力は、ハイブリッドまたはリモートの業務環境で社員がプレッシャーにめげずに問題解決を行う、コラボレーションが根付いたチームの形成には特に重要です。
 

適応力を教えるのは、練習と忍耐を必要とするため、容易なことではありません。適応力を育む最善の方法は、リーダーシップを発揮することです。物事がうまくいかなくなったら、模範を示してリードする、冷静さを保ち、チームの次のステップに集中します。チームがどのように適応できるかについて話し合いを促進し、チームメンバーが行動を起こすよう促します。
 

5.  組織力・整理力

特にハイブリッドやリモートの業務環境では、各メンバーのスケジュールが異なるため、組織力・整理力は欠かせません。共同作業を行うプロジェクトでは、社員は常に整理を心がけ、時間を管理し、自分の仕事を完了させなければなりません。そうすることで、チームの他のメンバーも仕事を完了させることができます。優先度の高いプロジェクトを階層化し、完了期限やプロジェクトのどの段階を完了させる必要があるかなどの状況を考慮し、プロジェクトを前に進めるために必要なタスクを明確にします。
 

チームとしての組織力を高めるには、日々の業務でのコラボレーションが重要です。責任やスケジュールに対する社員の感度が高いほど、ワークロードをより効果的に整理し、遂行できるようになります。
 

6.  対立の解決

職場での対立は、協力的なチームにとってのマイナス要素となります。対立や意見の相違が解消されないままだと、チームの仕事を完了させるために大きな負荷がかかります。意見の対立は自然なことである一方で、ストレスとなり、チームの仕事の質に影響を及ぼすリスクも生じます。また、対立は、直接関わりのない人たちにとっても、緊張感をもたらします。社員が何について対立しているかに関わらず、友好的に、迅速に問題を解決するスキルを持つことで、生産的で快適な職場環境が保たれます。
 

チームメンバーは、他人に責任を転嫁するのではなく、自身の責任を受け入れ、説明責任を果たすことが必要です。敬意を持って議論し、他者の意見に耳を傾け、友好的な解決策を見出す能力を育むことが重要です。対立を解決するスキルを習得することで、チームとして対立を認め、乗り越え、前進することができます。
 

7.  討論

規律ある建設的な議論を奨励し 有意義な討論を促進

 

よい討論は、イノベーションのきっかけとなり、プロジェクトを前進させ、効果的でないアイデアの排除を可能にします。自分のアイデアに感情的に執着し、批判を個人攻撃と捉える社員にとっては、コラボレーションの最中の討論は難しい場合があります。生産的な討論をめざすには、建設的で規律のある議論を奨励することが重要です。チームメンバーは、アイデアについて討論する際には礼儀正しくあるべきで、討論がもはや生産的でなくなった場合には、リーダーが介入します。討論は、チームメンバーがその場にいれば対面で行うことが可能です。またリモートのメンバーが参加できるよう、ソフトウェアによるオンラインでのコラボレーションを行うことも可能です。
 

討論のスキルを育成することで、建設的なフィードバックの提供と受け入れが促進され、長期的にはコラボレーションをより生産的なものにします。社員が議論の場で積極的に提案し、敬意をもって最善の方向性を議論することができれば、チームはプロジェクトやアイデアをより効率的に進めることができます。
 

8.  長期的思考

社員の中には、自身の貢献がチームや会社にどのように役立っているのかが見えず、コラボレーションが苦手な人がいるかもしれません。チームメンバーが長期的思考の能力を持つことで、コラボレーションの結果をイメージし、自分の貢献が、チーム共通の目標にどのような影響を及ぼすかを認識することができます。プロジェクトにおける各自の役割と責任範囲についての理解を深めることで、チームの一員である意味を社員に理解させることができます。
自身の目的と、コラボレーションが自社の目標の達成にどのように役立つかを理解しているチームメンバーは、より有意義な貢献ができるようになります。長期的な視点に立った思考により、社員は、単に最善の結果を期待するのではなく、コラボレーションによる意思決定やアイデアがチームの目標達成にどのように役立つかを予測できるようになります。
 

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